出井の古家
住まいは広島市内、毎週末に島に戻って畑仕事。定年後には居を島に移したいということで、生家を修理させてもらうことになりました。海が眼下に広がり。見晴らしの良い、風のよく通る立地。しかし柱や梁はひどくシロアリにやられていました。梁の交差部は折れ、大黒柱と差鴨居との仕口もシロアリに食われて、建具が支えているような状態でした。骨組みと屋根の状態にしてとりあえずジャッキアップ、その後虫害にあった柱や梁を新たに入れ替え。棟木の下の梁も半分やられていましたが、入れ替えが不可能、新たに丸太梁を下に抱かせて補強。構造がきちんとしたところで屋根をばらし、瓦を葺き替え。工事もここまでくれば残るは内装仕事。1年弱で無事引き渡すことができました。どうやって柱を入れるか?どうやっていつもと逆の順序で梁を組むか?眠れぬ日が続きましたが、布団から出て現場に行けば何とか解決策は見つかるものです。今から思えば、楽しい、冒険の日々でした。(2018年)