東広島の家

(設計:丹呉明恭建築設計事務所

東京で大工見習いをしているときに大工塾と知り合いました。そこでお世話になった丹呉明恭さん(設計士)が図面を書いた家です。接合部に金物を使わず、伝統的な仕口、継ぎ手で木を組んで建てています。「渡り顎工法」とでもいうこの家は、柱の上に幾重にも梁をのせて架け渡してゆき、柱と梁、桁と梁を、 くりかえし込み栓(木の棒)でつないでゆきます。厚さ30ミリの貫を柱に通して土壁で構造上の耐力を確保しています。

山口県で独立後、初めて請け負った新築住宅で、大工仲間と二人で3ヶ月かかって墨付け、刻みをした、思い出深い家です。

変形敷地のため、2階屋に平屋が60度の角度で交わっています。平屋部分に子供部屋と夫婦の寝室があり、
眺めの良い2階部分に居間、1階には書庫と客間および水まわりが設けられています。(2003年)