岩国のアトリエ

(設計:向山徹建築設計事務所

音楽家のご夫婦から、書や絵画の収蔵庫兼ギャラリーをとの依頼でした。ご母堂が書家、息子さんが画家。しかし敷地は市街化調整地域とあって、肉親の分家住宅以外は建てることができない。予定を変更して息子さんの住居とそれに併設したアトリエとしてやっと建築確認がおりました。細長い平屋のアトリエ棟と総二階の住宅棟が、小高い丘の上にたちます。梁のない空間を作るため、オリジナルの木組みのトラスを作りました。壁は全て土壁中塗り仕上げ。住宅棟は天井も土。左官屋さんの全面的な協力があって、初めて大壁土壁仕上げの建物ができあがりました。アトリエ棟は軒が低く1.5mの軒の出があるので、樋はつけませんでした。(2017年)

写真:野村和慎、工事途中写真:久良大作